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メンブレン技術を使用した窒素の生成

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窒素を自社で生産することは、N2の供給を完全に制御することを意味します。窒素を定期的に必要とする会社にとっては、実現可能な選択肢です。窒素を自社で生成する方法は、大型の低温空気分離設備を設置する他に、メンブレン発生装置を使用する方法とPSA発生装置を使用する方法の2つがあります。この記事では、メンブレン窒素発生装置の仕組み、メリット、デメリットについて述べます。

メンブレン技術の仕組み

メンブレン窒素発生装置はシンプルな動作原理を基にしています。主要な部分は、小さな中空のポリマー繊維が詰まったメンブレンモジュール(口径+- 10cm)です。まず、乾いた清浄な圧縮空気が入り、この繊維の構造により空気の一部は繊維の外に流れ出ます。このプロセスは透過と呼ばれています。このプロセス中に、水、酸素、アルゴンの一部が繊維のメンブレン側を通って出ていき、最終的には窒素だけが残ります。 このようなことが可能なのは、分子が異なると透過のスピードも異なるためです。H2Oはすぐに透過し、酸素は少し時間がかかります。アルゴンと窒素の透過はやや遅いので、H2Oと酸素がなくなってからしばらく繊維内にとどまります(アルゴンの一部も透過しますが、流れている空気から完全に除去するのは非効率です)。窒素純度の詳細は、以下を参考にしてください。 繊維壁を染み透ることで、メンブレンハウジング内に圧力超過が発生します。繊維が詰まり、透過の効率性が著しく低下します。これを防止するために、ハウジング内に透過孔という開口部があり、こちらからこれらの「排出」気体(H2O、酸素、アルゴンなど)が放出されます。

窒素の純度と給気の要件

メンブレンに入る前の吸入空気が清浄で乾燥していることは極めて重要です。そうでなければ、細い繊維はすぐに詰まってしまいます。これを防ぐために、供給する空気を適切に処理するための装置を設置する必要があります。必要なフィルタとドライヤが発生装置自体に内蔵されていることもあり、その場合は、コンプレッサと発生装置の間にさらなるフィルタを設置する必要はありません。 メンブレンの繊維は、水蒸気があっても大きな問題にはなりませんが、処理する空気には液体としての水は含まれていません。メンブレンに悪影響があるからです。したがって、冷凍式ドライヤなど、水を分離するための適切なソリューションを発生装置の上流に設置する必要があります。発生装置の給気に注意を払うことで、メンブレンが保護されて寿命が長くなります。以下では、一般的な設備について述べます。

メンブレン発生装置とPSA発生装置から選ぶ

空気係数は一般にPSA発生装置のほうが低く、運転コストが低いため、2つの選択肢から選ぶのは簡単に思われるかもしれません。しかし、メンブレン発生装置には注目すべきメリットがいくつかあります。1番目のメリットはメンブレン発生装置の動作原理の単純さであり、これはメンテナンスコストに影響するため、設置面積は小さくなります。また、PSA発生装置よりも起動が迅速で、格段に静かです。PSA発生装置では、各サイクル終了時に発生するブローオフの騒音に対処する必要があります。最後のメリットは、メンブレン窒素発生装置のほうが作業員が多い場所に適しているということです。窒素発生装置としてどのタイプが適しているかを選択する場合は、用途を考えてから、総合的なメリットとデメリットを検討して選択してください。

 

メンブレン

PSA

達成可能純度

効率的な最高純度99.9%

効率的な最高純度99.999%

効率

高い

より高い

性能と温度の比較

高温で性能が高い*

高温で性能が低い

システムの複雑さ

低い

中程度

サービス強度

極めて低い

低い

圧力の安定性

安定

入口/出口の変動

フローの安定性

安定

入口/出口の変動

起動スピード

数秒

数分/数時間**

水(水蒸気)過敏性

液状水は不可

PDP最大8℃(一般的)

油過敏性

不可(< 0,01mg/m³)

不可(< 0,01mg/m³)

騒音レベル

極めて低い

高い(ブローオフのピーク)

重量

低い

中程度

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