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窒素発生装置の仕組み

私たちが呼吸する空気は約78%が窒素であり、高純度の窒素は、多くの産業でさまざまな用途に使われています。窒素を使用する企業は、自社で窒素を生成することでメリットを得られます

2022/06/20

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窒素を自社で生成

窒素記号を示すアニメーション画像
窒素は、酸素が地球上の生命を維持することを可能にする媒体です。しかし、窒素は多くの産業用途に最適な特性を幅広く備えており、「単に」私たちの生命を維持する以上の役割を果たしています。最も重要な特徴は、窒素が不活性ガスであるということです。つまり、他の物質と反応しにくいということです。そのため、緩慢な酸化(エレクトロニクス業界の回路基板の腐食など)または急速な酸化(爆発や火災など)を防ぐ必要がある用途に最適です。さらに、窒素は無臭無色のため、食品の消費期限を延長するなど、食品飲料産業において最適な媒体です。これらの特性により、自動車産業や化学産業から水産養殖、射出成形まで、多くの産業で常に窒素需要があるのは当然のことと言えます。

窒素:世界で最も豊富な気体

幸い、窒素は呼吸する空気の大半を占めており、豊富に利用可能です。しかし、前述の産業用途やその他多くの用途ですぐに使用できるわけではありません。窒素は3つの方法で入手できます。企業の場合、現場で窒素タンクをリースする、高圧容器で窒素ガスを供給する、自社で生成するなどの方法が可能です。多くの企業は、サードパーティサプライヤに依存する最初の2つの選択肢は不便で非効率的であり、コストがかかることをすぐに認識します。幸い、窒素を自社で生成し、用途に応じて量、純度、圧力を制御し、24時間いつでも際限なく窒素を供給できる方法があります。

 

自社で窒素を生成すると、生産の柔軟性が向上し、サードパーティサプライヤが関与しないため、定期的な注文処理、再充填、納入コストが不要になり、窒素容器保管に必要なスペースが解放されます。

窒素発生装置の仕組み

基本的に、窒素発生装置は圧縮空気中の酸素分子から窒素分子を分離し、精製窒素を供給します。窒素は、メンブレン窒素発生装置またはPSA(圧力スイング吸着)窒素発生装置をコンプレッサに接続して生成されます。では、どちらの技術を使うべきでしょうか。それは、必要な窒素品質に応じて異なります。たとえば、タイヤの空気入れ、窒素による防火/消火が必要な場合には、90~99%の低い純度レベルで済むため、メンブレン窒素発生装置で十分です。しかし、99.999%以上つまり10 ppm以上(100万分の1)のきわめて高い純度が必要な場合には(食品産業やプラスチック成形など)、PSA窒素発生装置が必要です。

 

また、生成する窒素の量、圧力、純度を制御できることに加えて、窒素ガスを自社で生成することには他のメリットもあります。市場の価格変動による影響を受けず、輸送コストを削減し、遅延を防止できることです。自社で窒素を生成する企業では、高圧シリンダの取り扱いに伴う安全上の問題に直面することがないため、蒸発損、または返却する高圧容器を完全に空にできないことに起因する無駄が発生しません。サードパーティから窒素を調達する場合に比べて運用コストが大幅に削減されるため、経時的に窒素発生装置への初期投資を回収できます。

 

このビデオで窒素の詳細をご覧ください

メンブレン窒素発生装置

この技術は、安価な圧縮空気を個々の中空繊維束で構成される半透過性膜に通すことで、空気を気体成分に分離します。各繊維はきわめて微細で、真円の断面を持ち、中心に均一な穴が開いています。モジュールの一端から圧縮空気が繊維に流入し、繊維の穴を通過して膜に接触します。酸素、水蒸気、その他の微量ガスは膜繊維を容易に透過して放出されますが、窒素は膜内に残り、出口ポートから放出されます。水蒸気は膜を透過するため、窒素ガス流は非常に乾燥しており、露点は-50℃(-58°F)まで低下します。

メンブレン技術はシンプルかつ効率的であり、コンパクトなオールインワンユニットのメンテナンスはほぼ不要で、運用コストもかかりません。必要な窒素流量が比較的低く、純度レベルが99%を超えない用途に最適です。メンブレン技術は、圧力スイング吸着(PSA)などの高流量/高純度技術に比べて、初期投資を低く抑えることができます。

圧力スイング吸着式(PSA)窒素発生装置

工場での窒素発生装置用途を示す画像
吸着とは、物質(この場合は圧縮空気)から原子、イオン、分子を吸着剤の表面に付着させるプロセスです。PSA窒素発生装置では窒素が分離され、圧縮空気流中の他の気体(酸素、CO2、水蒸気)は吸着されることで、原則的に純粋な窒素だけが残ります。PSAでは、分子が炭素モレキュラーシーブに結合すると、圧縮空気流から酸素が捕えられます。これは2つの別々な圧力容器(タワーAとタワーB)で発生します。炭素モレキュラーシーブが充填された2つの容器は、分離プロセスと再生プロセスで切り替えられます。

クリーンで乾燥した圧縮空気がタワーAに入ります。酸素分子は窒素分子よりも小さいため、シーブの孔を通過します。窒素分子は孔を通過できないため、シーブをバイパスして必要な窒素純度に到達します。この相は吸着相または分離相と呼ばれます。タワーAで生成された窒素のほとんどがシステムから放出され、すぐに使用または保管されます。

次に、生成された窒素のごく一部が逆方向のタワーBに流れ込みます。この流れにより、タワーBの前の吸着相で捕捉された酸素が押し出されます。タワーBの圧力を解放することで、炭素モレキュラーシーブの酸素分子を保持する能力が失われ、酸素分子がシーブを離れて、タワーAから流入する少量の窒素流で運び去られます。この「洗浄」プロセスにより、次の吸着相でシーブが新しい酸素分子を捕える空間が確保されます。

PSA技術は、最大純度99.999%の厳格な用途で、高流量の連続窒素フローを実現します。PSA発生装置では、メンブレン窒素発生装置よりも高額の初期投資が必要ですが、一部の産業や用途で求められる高流量と高純度レベルを達成できるというメリットがあります。

自社で窒素を生成する最適なソリューションについて、空気システムの専門家にお問い合わせください。

窒素はさまざまな産業用途で大きな役割を果たします。窒素発生に関するこのEブックは、拡大する現場での窒素発生の傾向と、それがビジネスにどのようなメリットをもたらすかを理解するのに役立ちます。 

 

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