熱回収により天然ガス消費量を抑制
Wernsing Feinkost社では、24時間年中無休でプロセスの加熱が必要です。必要な熱量の一部にあたる350kWはコンプレッサの排熱を利用してまかなっています。これには、熱回収システムを装備するアトラスコプコのZRオイルフリースクリュコンプレッサが活躍しています。
空気を圧縮する際に熱が発生するため、常にコンプレッサを冷却する必要があります。この熱をボイラハウスで利用して、軟水を予熱して、蒸気を生成したいと考えました。こうすれば、年間を通じて加熱に利用できます。
最大350kWの熱発電
アトラスコプコは、圧縮空気消費量を測定した結果に基づき、水冷式オイルフリースクリュコンプレッサのZR250VSDとZR160で構成される、総出力410 kWの圧縮空気ステーションを提案しました。
水冷機と熱回収を組み合わせで、最高90℃まで上昇した冷却水が、熱交換機を通じて圧縮エネルギーをボイラハウスの加熱回路まで簡単に送ることができます。
2台のコンプレッサを最高容量で運転すると、投入した電力の80~85%に相当する、最大350 kWの熱出力が得られます。回収熱の利用により、この食品会社では天然ガス消費量を大幅に減らしました。同時にCO2も削減できるため、環境保護も促進されます。
「熱回収コストは高くありません」と満足の報告をするのは、ハートウィグ・シベル氏です。新しいコンプレッサはボイラハウスの近くに収納されたため、基本的に1台の熱交換器で十分です。
圧縮空気生成の効率をさらに向上するため、Wernsing社では省エネ型のES制御およびモニタリングシステムも導入しました。
高品質の乾燥圧縮空気
Wernsing社は、周辺機器もアトラスコプコの製品を採用しました。MDシリーズの吸着式ドライヤにより、圧力下露点-30℃の空気を常に使用できます。
「一部のラインは屋外や冷蔵エリアで運転されています。そのため、圧縮空気システム内で結露が発生して、バルブやシリンダに悪影響が出ないよう、圧力下露点がより重要になります」と、環境およびエネルギーマネジャーは説明します。ロータリドラム式ドライヤは高温の圧縮空気を利用して乾燥剤を再生するため、最小限のエネルギー消費で済みます。