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空圧式輸送プロセスについて知っておくべきこと

より効率的な空圧式輸送プロセスを作成する方法をご確認ください。
3D images of blowers in cement plant
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正圧の空圧式輸送の通説を覆す

過ぎたるは猶及ばざるが如し

正圧の空圧式輸送システムの生産性が低下した場合、または現場の生産が増加し、システムにより多くの材料輸送が要求される場合、作業者はまず、圧縮空気の流量または圧力を増加させる傾向があります。これが簡単でコスト効率の高い解決策であると思われることは、ある程度理解できます。しかし残念ながら、ブロワまたはコンプレッサの流量や圧力を上げること(または単に別の機器を追加すること)が最善の解決策であることはほとんどなく、多くの場合、閉塞などの問題につながる可能性もあります。その理由は、正圧の空圧式輸送システムの場合、増加により、事態が悪化する可能性があるためです。  

閉塞、高額のエネルギーコスト、荷降ろし時間の問題を特定

たとえば、材料をファンネルに注ぐ際、流れが均一な場合は、材料が狭い端部をスムーズに通過します。しかし、大量の材料を一度に入れると狭い端部が閉塞することになります。つまりこの場合、輸送する材料の量を増やすには、大きなファンネル開口部が必要になります。さらに、ファンネル開口部を大きくした後でのみより多くの流量で、より多くの材料を輸送できるようになります。

 

空圧式輸送システムもこれと同じです。ほとんどの場合、最初に行う必要があるのは、ブロワやコンプレッサのサイズ、圧力、流量を増やさないで、パイプラインの直径を大きくすることです。

そのため、お使いの空圧式輸送システムの性能低下に気づいた場合は、まず問題を特定する必要があります。

 

場合によっては、漏れや、単なる圧縮空気設備の老朽化が原因で問題が発生することもあります。このような場合に、流量や圧力を増やすことは適切な解決策ではありません。漏れがあった場合は、単にエネルギーの無駄使いとなってしまい、ブロワの老朽化が原因の場合は、ブロワを交換する必要があります。幸運なことにどちらの場合も、時間とコストがかかる新しいパイプラインの設置は必要ありません。

これらの問題のトラブルシューティングと、システム性能の最適化のために、空圧式輸送に対する誤解と通説について見てみましょう

通説1:流量を増やすと、より多くの材料を輸送できる

これはほとんどの場合、間違いです。移動できる材料を特定する際は、パイプラインのサイズが流量よりもはるかに重要であるため、流量増やすことで不要な閉塞が発生し、業務が中断し、コストのかかる遅延につながるおそれがあります。パイプラインの直径を適切なサイズに調整した後、流量を増やすことで、より多くの材料をスムーズかつ効率的に移動させることができます。

通説2:圧力を上げると、正圧の空圧式輸送システムの性能は向上する

これもほぼ同じ理由で間違いです。パイプラインと空圧式輸送システムで、設計より多くの材料を無理に搬送することはできません。閉塞が発生したり、性能が不足したりする場合は、システム設計の誤りか、ブロワまたはコンプレッサが最適な圧力と流量を供給できなくなったことが原因であると考えられます。

この場合は、(大きなブロワを使用するのではなく)ブロワを交換するか、システムを調整することが良策です。 

通説3:空圧式輸送システムの出力を向上させるには、単にパイプラインの直径を大きくすればよい

パイプラインの直径を大きくすることが、システムで輸送できる材料の量を増やす唯一の(または確実に最良の)方法であることは確かですが、この手順を実行することで、より大型のブロワやコンプレッサも必要になる可能性がきわめて高くなります。

理由は明らかです。パイプが大きくなるほど、材料を移動するための圧力と流量も増やす必要があるからです。特に、閉塞を防ぐためには、一定の速度で輸送する必要があります。今まで、圧縮空気システムの最大性能を活用していなかった場合は、大径のパイプに対応できる可能性がありますが、多くの場合、圧縮空気設備のアップグレードが必要になります。 

通説4:補助装置付きの中圧コンプレッサを使用する方が、ブロワや低圧コンプレッサを使用するよりもよい

これは絶対に間違いです。空圧式輸送には、大きな圧力は必要ないため、(大気圧~最大4 bar(g)の空気を供給する)低圧コンプレッサやブロワの代わりに、(4 bar(g)以上の空気を供給する)中圧コンプレッサ圧力容器と減圧装置と一緒に使用しても意味がありません。この中圧設備が、バルブ制御などへの圧縮空気供給のために、すでに現場に設置されている場合でも、空圧式輸送用途専用の低圧システムに投資する方が、多くの場合、費用対効果は高くなります。

その理由は明らかです。コンプレッサが大きくなるほど、より多くのエネルギーを消費するため、運用コストが増加します。正しいサイズのコンプレッサに投資することで、ほとんどの場合、エネルギーを節約できるため、迅速な投資回収を実現できます。実際の需要を超えて圧縮を行うと、1 barあたり7%のエネルギーが無駄になります。 

通説5:トラック搭載型のコンプレッサは、外部コンプレッサと同様に作業を行うことができ、そうでない場合は、外部コンプレッサを簡単に追加できる

たとえば、セメント輸送業者向けのトラック搭載型コンプレッサは、特定の用途向けに選択されたものではなく、「既製品"」であるため、多くの場合、理想的なソリューションではありません。これらは非常に小型で、圧力と流量も低いため、業務には適していません

業務で使用するには、外部ブロワやコンプレッサがはるかに優れています。これにより、荷役時間が大幅に短縮され、業務をより円滑に行うことができます。

一部のユーザーは、トラック搭載型コンプレッサをサポートするために、2台目のコンプレッサまたはブロワの追加を選びますが、これには何の利点もありません。それどころか、前述の閉塞の問題の原因となる可能性もあります。 

正しい判断を下す

このような良く知られている通説や誤解をうのみにせず、上記の情報に基づいて考慮することで、お使いの空圧式輸送システムを評価して投資判断を行う際に、多くの場合、より少ないコストでより多くのことを行うことができます。