2024/04/19
効率的で信頼性の高い圧縮空気を供給するロータリスクリュコンプレッサは、さまざまな業種に不可欠の存在ですが、用途は無数にあり、さまざまな種類のロータリスクリュエアコンプレッサがあります。選択可能な多数のオプションを考慮すれば、業務に最適なものを選択するのが困難な場合があります。
製造業、製薬業、建設業のいずれにおいても、ロータリスクリュコンプレッサの主要な特徴を理解することで、用途に最適なものを選択できます。このガイドは、圧縮空気システムにおけるアトラスコプコの豊富な経験を活かして、選択プロセスを簡略化することを目的としています。
ロータリスクリュコンプレッサとは何ですか?
ロータリスクリュコンプレッサは、空気の圧縮に2個のロータ(ヘリカルスクリュ)を使用するという点で、ピストンを使用するレシプロエアコンプレッサと大きく異なります。スクリュがかみ合うことで空気の体積が小さくなり圧力が上昇するのです。ロータリスクリュコンプレッサのこのような設計は連続運転に適しているので、定常的な空気供給が必要な用途に最適です。
では、ロータリスクリュコンプレッサの長所は何でしょうか。効率、信頼性、汎用性以外にも多数の長所があります。
騒音出力は低く、物理的なフットプリントは小さくなっています。つまり、より多くの場所に設置できます。
ピストンコンプレッサとは異なり冷却時間が不要なため、連続運転が可能であり、保守も最小限で済みます。
さらに、オイル潤滑式ロータリスクリュコンプレッサは、わずか3 ppmの低オイルキャリーオーバーを特長としています。
最終的に、10年以上のサービス期間にわたって、容量の損失を心配する必要がありません。
自社施設に適したロータリスクリュコンプレッサの選択方法
オイルフリーおよび給油式ロータリスクリュコンプレッサ
まず、オイルフリーロータリスクリュコンプレッサと給油式ロータリスクリュコンプレッサのどちらが適しているか判断することが重要です。オイルフリーか給油式かの選択は、お客様の空気純度要件に左右されます。オイルフリーコンプレッサは、食品加工業や製薬業に不可欠な高品質の空気を供給します。給油式モデルはより標準的で費用対効果が高く、空気純度がそれほど重要でない一般工業用途に好適です。
オイルフリー | 給油式 | |
アヴァンテージ | オイルによる汚染がなく、デリケートな用途に好適 | 低コスト、広範な用途 |
デメリット | 高額な導入コスト | オイル除去のために空気処理が必要 |
関連産業 | 製薬業、食品加工業 | 一般製造業、建設業 |
2つの駆動タイプ、多くの利点
これで給油式コンプレッサとオイルフリーコンプレッサの選択ができました。次のステップは、エアコンプレッサの駆動方式の選択です。アトラスコプコでは、ベルトドライブまたはギアドライブのロータリスクリュコンプレッサを提供しています。ベルトドライブコンプレッサはコスト効率が高く、設置、操作、保守が容易で、小さい運用規模に最適です。ギアドライブモデルは静粛性が高く高効率で、要求の厳しい大規模用途に適していますが初期投資コストは少し高くなります。しかし、効率が良く保守が不要で運用コストが低いので、早期の初期投資回収が可能です。
ベルトドライブ | ギアドライブ | |
アヴァンテージ | 低コスト、容易な保守 | 静粛性と効率の向上 |
デメリット | 低効率 | 高額な導入コスト |
定速、デュアルスピード、および可変速のロータリスクリュコンプレッサ
各種用途向けに、定速、デュアルスピード、および可変速のロータリスクリュコンプレッサを選択できます。
一般的には、定速ロータリスクリュエアコンプレッサと可変速ロータリスクリュエアコンプレッサは空気需要に応じて選択するものだと言われています。定速コンプレッサは回転速度が一定なので空気需要が一定している用途に適しており、可変速(VSD)コンプレッサは需要が変動する場合にのみ使用する、というものです。
しかし、実際は上記の認識とは異なり、定常的な空気需要に定速コンプレッサが常に理想的だというわけでもなく、VSDコンプレッサも回転速度を空気需要に合わせて動的に調整すればこの種のシナリオに完全に対応できるうえ、定常的な需要と変動する需要のどちらにも対応し、効率化とエネルギー節減を実現できます。つまり、両者の選択は、最終的には、特定の用途による要件ではなく、予算の制約に基づいて決定されるのです。
そして、第3の選択肢としてデュアルスピードコンプレッサがあります。これは、定速コンプレッサよりもエネルギー効率が高く、どのような圧力設定でも自由空気吐出量を最適化できるうえ、VSDコンプレッサよりも初期投資額が低いのです。初期投資額は定速コンプレッサよりも高額になりますが、柔軟性に優れ、さまざまな圧力で高流量を必要とする用途に適しています。
結論として、定速、デュアルスピード、および可変速のロータリスクリュコンプレッサを検討する場合、VSDコンプレッサが、変動する需要と定常的な需要の両用途に最適な選択肢として浮上します。その効率性により収益が向上するだけでなく、長期的には環境面の利点もあります。
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定速
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デュアルスピード(FLX)
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可変速(VSD)
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アヴァンテージ
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シンプルな操作、低い経費
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定速コンプレッサよりも高いエネルギー効率、VSDよりも低い初期投資額。あらゆる圧力設定で自由空気吐出量を最大化
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高エネルギー効率、変動空気需要と一定空気需要の両方に対応
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デメリット
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変動空気需要での低効率、それほどではない環境性能
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初期費用は定速コンプレッサよりも高額だが、柔軟性が高い
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初期費用は高額だが、あらゆる空気需要でエネルギー効率が高い
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最適な状況
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使用率が低く初期投資を削減したい場合
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さまざまな圧力で高流量が必要なあらゆる用途
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一定負荷や変動負荷を含め、空気需要が一定しない用途
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エアコンプレッサの最適サイズ
ロータリスクリュコンプレッサでは、最適なサイズの選択が重要です。その際に考慮すべき主たる要因が、圧縮空気の必要流量です。コンプレッサのサイズが過小だと空気需要を満たしませんし、過大だとエネルギーが無駄になります。アトラスコプコでは、ニーズに合わせて効率的な運転とエネルギー節約を実現する各種サイズのコンプレッサを用意しています。
アトラスコプコのコンプレッサ中最小のG 2-7シリーズをご覧ください。従来、圧縮空気需要が小さい用途に使用されてきたピストンエアコンプレッサと比較して効率が高く、費用と環境フットプリントが抑制されるなど多くの利点があります。さらに、24時間運転が可能なため、大量の空気需要にも対処できます。最後に、定速ロータリスクリュコンプレッサは、圧縮空気システム内のオイル含有量が低減されます。これは、レシプロコンプレッサが対抗できない特徴です。
ロータリスクリュエアコンプレッサを選択する準備はできましたか?
アトラスコプコの広範なロータリスクリュエアコンプレッサシリーズはVSD、VSD+、VSDs、G、GA、およびGA+シリーズがあります。各シリーズは、基本的な需要から厳しい工業環境に至るさまざまな要求に対応しており、お客様の業務に最適なコンプレッサを提供します。
40年前、アトラスコプコは、圧縮空気需要に応じてモータ回転数を調整してエネルギー消費量とコストを大幅に削減する可変速駆動(VSD)技術により業界に革命をもたらしました。現在の第3世代(GA VSDˢ)では、効率性、持続可能性、信頼性、接続性、操作の容易さなどあらゆる判断基準をさらに向上しています。
- G VSD:アトラスコプコのG給油式ロータリスクリュコンプレッサは、信頼性と効率性を重視して設計されています。最も過酷な環境においても連続運転が可能で、コストのかかるダウンタイムや生産遅延を防ぎます。
- GA VSD+:市場をリードするアトラスコプコのGA 給油式ロータリスクリュコンプレッサは、極めて過酷な環境でも卓越した性能と高い生産性を発揮し、所有コストを抑えます。
- GA VSDs:最高レベルのコンプレッサを必要とする場合は、VSDsをお薦めします。GA 5-37 VSDsは、定速モデルと比較して平均60%の省エネを実現する、市場で最もエネルギー効率の高いコンプレッサです。性能、信頼性、接続性のレベルを向上させ、お客様の持続可能性と生産性の目標を現在および将来にわたってサポートします。
- GA FLX:アトラスコプコは、VSD技術の採用を躊躇しているお客様のためにコストと省エネのバランスを取るデュアルスピードコンプレッサを市場に送り出しました。GA FLXシリーズは、定速コンプレッサのお手頃価格とVSD技術の省エネ性能を組み合わせたもので、2段階の回転速度で需要量の変化に対応し、最大20%の省エネを実現します。
適切なロータリスクリュエアコンプレッサの選択にお困りなら、アトラスコプコの専門家が喜んでお手伝いします。
ロータリスクリュコンプレッサとは何ですか?
アトラスコプコの専門家が、コンプレッサ選択プロセスをステップバイステップで説明し、お客様の業界での空気品質要件の特定もお手伝いします。
アトラスコプコの専門家が、コンプレッサ選択プロセスをステップバイステップで説明し、お客様の業界での空気品質要件の特定もお手伝いします。