配管とスロットル調整を通じた気体のフロー
非常に興味深い物理学の一分野が熱力学で、特にエアコンプレッサにおける知見を得たい場合に役立ちます。この記事では、熱力学の概要に続き、気体のフローとスロットル調整について説明します。
レイノルズ数
レイノルズ数は、流れている媒質における慣性と摩擦の比を表す無次元数です。その定義は以下のとおりです。
パイプ内のフローの種類
原則として、パイプ内のフローには2種類あります。Reが2000未満の場合、媒質中では粘性力が支配的になり、フローは層流になります。これは、媒質の各層の動きが相互に関係して規則正しいことを意味します。層間の速度分布は放物線状になります。Reが4000以上の場合には、慣性力が流れる媒質の挙動を支配し、流れの中での粒子の動きは不規則になります。乱流のある層内の速度分布は拡散となります。Reが2000以上および4000以下の臨界領域では、フローの状態は不安定で層流、乱流、または層流と乱流が入り混じったものとなります。この状態は、パイプ表面の平滑度や他の障害物の存在などの要因によって決まります。パイプ内でフローを開始するには、パイプとカップリング内の摩擦を克服できるだけの圧力差が必要です。圧力差の量は、パイプの直径、長さ、形状、表面の平滑度、レイノルズ数によって決まります。
ジュールトムソン効果とは
気体がリストリクタを通じて流れ、リストリクタの前後で圧力が一定の場合、温度は一定のままです。ただし、内部エネルギーが運動エネルギーに遷移することにより、リストリクタ中において圧損が生じます。これが温度が低下する理由となります。実際の気体の場合、気体に含まれるエネルギーは一定のままであっても、この温度変化は永続的となります。これをジュールトムソン効果と呼びます。この温度変化は、スロットル調整における圧力変化にジュールトムソン係数を掛けたものと等しくなります。
流れている媒質の温度が十分に低い場合(空気の場合は+329℃以下)、リストリクタにおけるスロットル調整によって温度低下が生じますが、フロー媒体の温度が高い場合は逆に温度が上昇します。この条件は、例えば冷蔵技術や気体の分離など様々な技術用途に利用されています。