可変速駆動冷凍式エアドライヤ
ほとんどの製造用途では、圧縮空気の需要に変動がありますが、従来型のエアコンプレッサには全開という1種類の速度しかありません。必要な空気が少なければ、大量のエネルギーが無駄に消費されます。一方、可変速駆動(VSD)搭載のエアコンプレッサは、空気の需要に合わせてモータ速度を自動的に調整するため、大幅な省エネになります。そして冷凍式エアドライヤを補完するテクノロジーとして省エネの可変速駆動を適用すると、露点が低く安定するまで乾燥された高品質の空気の供給と省エネを両立できます。
冷凍式エアドライヤの仕組み
VSD冷凍式エアドライヤの仕組み
冷凍式エアドライヤには独自のコンプレッサが搭載されており、冷媒ガスを液体に圧縮します。従来型の冷凍式エアドライヤは通常、動作速度が固定のレシプロ(ピストン)コンプレッサを使用しています。そのため、エネルギー効率の観点からは、固定速度のエアコンプレッサと同じく、「オンかオフか」でしか動かないのは欠点です。一方、VSD冷凍式エアドライヤは、スクロールコンプレッサを使用し、可動螺旋エレメントが固定螺旋エレメントの周囲を回ることで空気を圧縮します。コンパクトで静音性に優れ、スクロールエレメントを駆動するインバータは需要に合わせて速度を変えられます。
VSDシステムの同期
VSDエアコンプレッサと同様に、VSD冷凍式エアドライヤも変動する乾燥圧縮空気の需要に合わせて、出力を自動的に調整します。これが可能なのは、ドライヤの制御システムがコンプレッサの制御システムと同じ手段、つまりインバータで速度を調整するからです。空気の需要が変化すると、エアコンプレッサの駆動モータは需要に合わせて速度を上げ下げします。そして冷凍式エアドライヤの冷媒コンプレッサはエアコンプレッサと同期して速度を同時に上げ下げします。
熱質量式(サイクル式)より効率的
熱質量式またはサイクル式と呼ばれる古いテクノロジーでも、冷凍式エアドライヤの効率をある程度上げることはできます。熱質量式エアドライヤは、全開動作と熱質量で冷却する動作を交互に実行します。単純に固定速度(全開またはオフ)しかないドライヤに比べれば改善されていますが、サイクル式ドライヤは熱質量の冷却にエネルギーを消費するため、全体的な省エネ性はあまり高くありません。
露点の安定性
VSD冷凍式エアドライヤの重要なメリットは、周囲の気温にかかわらず、露点が低く安定し、卓越した品質の空気を安定して供給できることです。熱質量式ドライヤでは、圧縮空気の露点が固定速度の冷凍式コンプレッサを始動または停止するインジケータになります。その結果、空気の露点が上下します。この変動により、空気の清浄等級が最大2つ下がります。対照的に、VSD冷凍式エアドライヤは、露点が安定するまで乾燥された、ISO 8573-1の清浄等級4に適合する空気を安定して供給できます。
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