ポンプキャビテーションとは? これを回避する方法。

キャビテーションは、ポンプ、特に遠心ポンプによくある問題です。キャビテーション状態は、ポンプのインペラ機能に直接関係しています。ご存知のように、遠心ポンプはインペラを使って、液体を入口から出口に移動させます。 

インペラは、吸水力を発生させ、圧力を上昇させてポンプ内にフローを作り出すロータです。逆に、プロペラは液体を押して推力を作り出すブレード付きファンです。どちらも液体を移動させますが、それぞれに別の目的があります。しかし、どちらにも同じ問題が発生し、同じような損傷が起こる可能性があります。

遠心ポンプのキャビテーションは通常、ポンプ入口側のNPSH（有効吸い込みヘッド）エネルギーが不十分なために発生します。NPSHは、液体をポンプに押し込むのに必要なエネルギーです。NPSHは、ポンプの高速稼働、直径が小さすぎる吸込みホースの使用、ポンプを液体から遠すぎる、または高すぎる位置に配置するなど、様々な条件によって不十分になる可能性があります。

上記いずれかの状況で遠心ポンプを使用すると、どのようなことが起こるでしょうか。遠心ポンプは、インペラの一面に低圧、もう一面に高圧をかけることで作動します。それと同時に科学的には、液体が特定の速度で移動すると、その後の圧力変化によって液体の圧力が蒸気圧を下回る可能性があります。

液体の圧力が蒸気圧を下回ると、蒸気の泡が発生します。これは、液体が異常な温度で沸騰するためです。水は21℃（70ºF）で沸騰します。

沸騰した液体がインペラの出力側から出ると、出力側の圧力が上昇し、気泡が破裂します。この破裂は小さな爆発のようなもので、機器のポンプ容量が減少し、ポンプ内部、特にインペラが損傷する可能性があります。蒸気の泡が崩壊すると、過度の振動が発生し、インペラなどの回転部品が、摩耗プレートや摩耗リングなどの回転しない部品に接触します。

過度の振動は、メカニカルシールやベアリングの早期故障の原因となることもあります。この場合、蒸気の泡が破裂したときに放出されるエネルギーによって金属片が破損し、他の可動部品と衝突するおそれがあります。この損傷は通常インペラに発生し、孔食から亀裂、破砕に至る可能性があります。インペラの損傷によりポンプの広範囲に損傷が広がり、高額の修理代が発生するおそれがあります。

キャビテーションが発生すると、ほとんどの場合、石を吸い上げたような騒音（実際に石はない）、振動、性能の低下、またはこの3つすべてを組み合わせた形で兆候が現れます。上記いずれかの兆候が表れたら、直ちにポンプをシャットダウンします。

エンジン回転数を下げると、フロー出力も下がります。回転数を下げることで、ポンプの吸い込み容量が減り、速度が許容レベルまで落ちるため、キャビテーションの形成を効果的に抑制できます。流量を許容レベルまで下げて、キャビテーションを積極的に回避することで、ポンプの吐出量を上げることができます。

ポンプ仕様をすべて再確認し、用途のニーズと比較してください。ポンプが液体から高すぎる位置に設置されていないか、パイプ径は適切か、ポンプの回転数が速すぎないか。簡単に言えば、ポンプに能力以上の負荷をかけていないかを確認してください。

上記のすべてを考慮した上で、私たちが提供できる最良のアドバイスポンプを選ぶ際には、専門家にサポートを求めてください。これにより、使用する機器が用途のニーズに合っているかを確認できます。