最も一般的なタイプのねじとボルトについて、最大締付トルクを見つけることは、必要な締付力を得るための重要な第一歩です。締付力の発生させるのは締付作業のためであり、組み立てた部品が仕様通りに機能させるために行います。
ボルトを締め付けたり、ボルトにトルクを加えたりするとき、締付力で部品を締め付けますが、このとき一定した非常に高い力を維持することが理想的です。ボルトの推奨最大トルクを理解し決定するには3つの重要な要素があります。それは、ボルトのサイズ、等級、摩擦力です。
上の表は、アトラスコプコの2019年産業用ツールとソリューションのカタログから抜粋したものです。この表を使うと、ボルトの最大トルクを決定する3つの重要な要素を理解するのに役立ちます。
ボルトサイズ
ボルトサイズは、ボルトの推奨最大トルクを決定するための最初の要素です。上の表のねじの呼び径の列では、ボルトの直径をミリメートル(mm)で表しています。M3のボルトの直径は3 mmであり、同様にM5のボルトの直径は5 mmです。ボルトが大きいほど、必要な締付力を得るために必要なトルクが大きくなります。この記事では、M12のボルトを使用してボルトサイズを説明します。M12のボルトの直径は約12 mm(0.5インチ)です。ボルトのサイズを理解することは、次の要素であるボルトの等級についての説明を読むうえで重要になります。
ボルトの等級
ボルトには、さまざまなスチール等級があります。ボルトの等級によって、ボルトが破断する前の応力と引張強度が決まります。ボルトの等級を理解することは、締付に適したツールを決定するうえで重要です。自動車の一般的な締結部品であるM12のボルト等級10.9のボルトの最大引張強さは、2万ポンド近くあることをご存知ですか。上の表によると、M12のボルト等級10.9の推奨締付トルクは114.0 Nmになります。ボルト等級が高いほど、締付力を高くするために高いトルクが必要になることに注意してください。
ボルトの摩擦力
最後の重要な要素は、ボルトの最大トルクを決定する摩擦力です。ボルトのジョイント部分には摩擦力が常に働いています。摩擦力は、ジョイント内でのパーツの緩みを防ぐために必要です。摩擦力は、ボルトのねじ山とボルト頭部の座面の2箇所で負担する必要があります。締付トルクの算出にあたっては、表中の0.125に相当する摩擦係数を理解しておくことが重要です。ボルトの等級と同様に、ジョイント内の摩擦力が大きいほど、適切な締付力を得るために高いトルクが必要になります。アトラスコプコの締付サービス研究所マネジャーによると、締結部品に加えるトルクの約90%がボルト部分の摩擦力を負担するために使用されます。加えられたトルクの残りの10%は、締付力となり、ボルトを弾性的に引き伸ばします。
特定のボルトの推奨最大トルクを決定することは、十分な締付が行われ、設計通りの部品の機能を保証するために重要なことです。トルクが不足していたり、潤滑剤の使用が不適切な場合、ジョイントが緩む可能性があります。また、トルクが強すぎると、ボルトが破損する可能性があります。ボルトの推奨トルクを確認するには、上の表を使用して、ボルトサイズ、ボルトの等級、および摩擦力を確認することをお勧めします。
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