締付けプロセス中の品質をモニターして、不具合を直ちに検出することで、組立ラインのリコールやリワークを回避することができます。
部品や部材を互いに締結するには、接着、リベット、溶接、はんだ付けなど、さまざまな方法があります。中でもとりわけ部品の組立に一般的に使われているのは、ネジを使用して、ナットで固定、もしくは部材のネジ穴に直接固定する方法です。設計と組立が単純で、分解が簡単に行えるので、高い生産性を生み出すことができます。 – コスト
トルクの算出方法
実用面の理由から、ねじの締付けが完了した際の最終段階の値が締付トルクとして計算されます。トルク又は力のモーメントは、締付の瞬間に動的に計測、または、締付け後にトルクレンチを使って静的に計測、のどちらかの手法によって計測されます。
トルク=力×長さ
トルクの仕様は、その締結部位に要求される品質レベルによって変動します。例えばオートバイの車輪のサスペンションを締付けるような重要保安部位では締付不具合は許されないため、とても厳密な締付精度が求められます。
締付時の回転角度を計測する項目に加えることにより、より高度な締付品質管理が可能になります。ネジの弾性域内で締付けている場合に、被締結部材が正しい状態になっていること(例:ガスケットやワッシャなどの部品が抜けていないことなど)を確認できます。また、最終のトルク上昇段階と同様に、着座する前段階の角度を計測することでネジ自体の品質を確認できます。
締付角度の計測によりネジの降伏点を検出することもできるので、高度な締付方式である塑性域付近の締付けを行うこともできます。
トルクの計測方法
トルクの計測には、2種類の方法のどちらかが使われます
- 静的計測:締付けが完了してから締付けトルクを確認する方法
- 動的計測:締付サイクル中にトルクを連続的に計測する方法
従来の締付の品質管理においては、締結力と関連性が高い締付トルクの計測が主でした。しかし、締付結果は摩擦や部材の変化からも影響を受けます。そこで、別の基準として回転角度も同時に計測することになりました。トルクと角度の両方を制御、監視することで、ガスケットの欠如、ねじの斜め入り、部材の不良、作業者のミスなどの不具合を検出することができます。 締付工程の品質を守ることで、手直しや、不具合品流出、製品保証費を最小限に抑えて、お客様の品質を向上することができます。
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また、お客様の締付方式を設計(研究開発)から量産まで、弊社の締付ラボとエキスパートが最適化する、アトラスコプコのユニークな締付コンサルティングソリューションも提供しています。