多くの場合、ボルトテンショナーは締結部位を均一に圧縮して適切なシーリング効果を生み出すために、複数個のセットで使用されます、一般的には、25%、50%または100%のボルトテンショニングを使用して実施します。
100%テンショニング
最も推奨される方法は100%テンショニングです。これは、フランジの全ボルトを同時に締めることを意味し、複数のテンショナーを1回加圧した後、チェックパスを実行するだけで均一な圧縮を実現することが可能です。
この方法は、締結時に潜在的に起こりうる不均一さが生じにくく、均一な締付による圧縮を確実に生み出すために有効です。また、一度に全ボルトにテンションをかけることができるため、全作業工程の総時間は50%テンショニングまたは25%テンショニングと比べて短くなります。
50%テンショニング
しかし、フランジの設計および形状によっては100%テンショナーを使用できないものもあります。50%テンショニングとは、ボルト数に対して50%の比率でテンショナーを使用すること意味します。つまり、ボルトの1つおきにテンショナーを使用し、2段階にわたって締付ける必要があります。
1段階目を圧力A、2段階目を圧力Bとします。ボルトを1および2と示します。圧力Aをボルト1に加圧し、圧力Bをボルト2に加圧します。圧力Aは常に圧力Bよりも高くなります。この圧力Bは、既に張力がかかったボルトの隣でボルトに張力をかける時に発生する荷重損失を補うためのものです。
テンショニングの技術において、このボルトの対角荷重の損失を予測することは容易です。この予測可能な荷重損失を補うために、ポンプ圧力Aという形でボルト1に荷重を余分にかけ、ポンプ圧力Bを隣のボルトが加圧される時に必要な荷重にまで緩められるようにします。
ボルト降伏応力の安全上の理由から、この圧力Aを圧力Bより高くできない場合があります。この場合は、必要なボルト応力を低減できない限り、100%ボルトテンショニングのみ利用可能となります。フランジの片側にスペースがない場合は、テンショナーをボルトに交互に両側から取り付けることができます。
25%ボルトテンショニング
25%ボルトテンショニングとは、ボルト数に対して25%の比率でテンショナーを使用するという意味です。フランジに8つのボルトがある場合、2つのテンショナーを使用します。ボルト1、2、3、4と示します。圧力Aをボルト1およびボルト2に加圧し、圧力Bをボルト3およびボルト4に加圧します。
締付手順やパスの回数は、用途、ガスケットのタイプ、サイズなどによって異なります。当社のボルト荷重ソフトウェアを使用して、標準フランジ上のこれらの構成の圧力荷重値を算出します。