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LEDとメタルハライドライトタワーの比較:5つの重要な考慮事項

2021/07/08

LEDに切り替える主なメリットは、長寿命と、消費電力を抑えながら広範囲を明るく照射できることです。LEDの購入は簡単に思えますが、購入を検討する前に、多くの要因を考慮する必要があります。

LEDライトタワーを購入するかレンタルするか選択する際に重視すべき5つの重要な考慮事項を次に示します。

LEDライトは十分な堅牢性がありますか?

LEDランプにはフィラメントがないため、従来のメタルハライドランプよりも振動や衝撃に対する耐久性が高くなっています。これは、過酷な作業環境にも耐えられる頑丈な機器が求められる建設業や採鉱業に不可欠な考慮事項です。しかし、頑丈さを求められるのは電球だけではなく、ハウジングも同様です。耐衝撃性ハウジングに収納され、粉塵などの粒子の侵入を防ぐLEDランプをお選びください。破損が生じやすい輸送も考慮すべき要因です。LEDランプだけでなく、装置全体がコンパクトな形状に折り畳まれて、現場内外を移動する際の圧力に耐えられるのが理想的です。

このテクノロジーはどれくらい進んでいますか?

効果的なLEDライトタワーを設計するには、標準的なライトタワーにLEDランプをただ単に取り付けるだけではなく、レンズおよびライトタワー内の光学部品にも注意を払う必要があります。これらは、光質と配光だけでなく、気が散ったり目が疲れたりする原因となるグレア(眩輝)の低減にも大きく影響します。夜間や悪天候でも安全性と生産性を改善し、良好な視界を確保するという、ライトタワー設置の本来の理由を忘れないことが重要です。 

最近ではLEDの性能が向上し、きわめて高輝度の光を照射できるランプも登場しています。また、目の疲れを軽減するグレアフリーのモデルも販売されており、作業者の安全性を改善しながら、作業効率を高めることができます。重要なことは、照明が改善されれば、作業現場での視界不良が原因で発生する事故や怪我も減らせるということです。

LEDは高価ですか?

これまで、LED技術普及の障壁の1つは、従来型の光源よりも先行投資のコストが高いことでした。これは、LEDランプの開発と製造が複雑であることが原因でしたが、LEDの人気の高まりにより、多くの地域で製造コストが下がりつつあります。かつては「エリート」テクノロジーと見なされていたLEDは、ますます手頃な価格になってきています。これと同時に、総所有コストを考慮することも重要です。LEDのエネルギー効率の向上は目覚しいものがあり、特定の製品とその設置および運用方法によっては、ランニングコストが50%削減されることも珍しくありません。複数のライトタワーを設置した大規模な現場などでは、長期的な節約効果は無視できません。同様に、LEDランプの寿命が長くなるほど、交換の間隔も長くなり、保守コストも削減できるため、長期的な視点で見た場合に、これはきわめて重要です。 

さらに、LEDライトタワーには、燃料効率の高いパワーパックが同時開発されており、最大出力2700 Wを発揮します。これにより、さまざまな温度や高度で性能を制御して、ライトタワーのエンジンを効率的に稼働させることができるため、用途によっては、燃料消費量を平均60%削減することも可能です。

重要な統計は何ですか?

LED照明の最も複雑な側面の1つは、電源と出力が従来型の照明とは異なる方法で分類されていることです。出力はワット数で表示されますが、LEDの場合は、きわめて低いワット数で従来型と同等またはそれ以上の明るさを出力できるため、ルクスが正確な指標になります。 

高品質のライトタワーは350 Wのランプ4基を使用して、平均20ルクスの光源レベルで5000平方メートル(53820平方フィート)の範囲を照射できますが、最高のメタルハライドライトタワーを1000 Wのランプ4基で構成しても、4000平方メートル(43055平方フィート)の範囲しか照射できません。電力使用量に注目すると、メタルハライドは6000 Wのパワーパックが必要ですが、LEDは2700 Wの正味出力しか必要としないため、必然的に燃料消費量が大幅に削減されます。最新のLEDは、1時間あたりの燃料消費量を約0.5リットルに抑えることができます。ライトタワーを選択する際に考慮すべき最も重要な仕様は、照射範囲、平均ルクス、エンジンの所要出力の3つです。 

ライトタワーを評価する際に考慮すべきもう1つの重要な要素は、演色評価数(CRI)です。LEDランプのCRIスコアは高く、CRIが(100のうち)85を上回る、自然光に近いLEDも販売されています。これは、快適性と安全性を高めるための正しい光のトーンを実現するために欠かせない要素です。

LEDの寿命はどのくらいですか?

LEDランプは従来型の光源よりも寿命が長く、それが最大の強みの1つです。LEDランプは過酷な環境で酷使しても想定寿命は約10年に相当する30000時間を超えますが、メタルハライドバルブは最長でも6000時間程度に過ぎず、過酷な使用環境ではさらに短くなります。照明器具は、ルーメンの値が初期ルーメン値の70%まで低下すると故障したと見なされるため、「実際の寿命」は、LEDの使用開始から出力が初期出力の70%を下回るまでの時間として定義されます。信頼できるメーカーであればLED寿命の証明書が用意されているので、購入時に必ず確認する必要があります。 

過酷な条件の建設や採鉱用途では、ライトタワーの耐久性が重要な懸案事項になります。LED照明であまり知られていないメリットの1つは、従来型の照明よりも温度変化に強いということです。たとえば、メタルハライドランプは高温多湿の条件による影響を受けますが、LEDは影響を受けません。同様に、LEDは低温下でも故障することなく動作します。

LED light tower

まとめ

今や家庭やオフィスで普通に見られるLED照明は、世界中の建設現場や採掘現場、イベント用途でも広く利用されるようになってきています。

大手メーカーでは、この技術をさらに改良し、さまざまな用途に対応できるように、LED照明の汎用性、利便性、効果を高めています。ただ、残念なことに、LED革命は、高性能を謳いながら、実際は低品質の製品を提供する企業が多く参入している状況を生んでいます。これでは、購入の際に混乱を招くのも当然です。

最も重要な推奨事項は、LED技術のあらゆる側面の改良と改善に投資し、多くの試験を重ねて生まれた製品を提供してきた信頼できるメーカーを探すことです。

フェリックス・ゴメス氏

フェリックス・ゴメス氏

製品マーケティングマネジャー - ライトタワー