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持続可能な未来への移行を加速

2023/11/24

ブログ 2023 ポータブルコンプレッサ

アトラスコプコ製品が使用されるロケーションの大部分は、電力へのアクセスが容易でありません。そのため、長きにわたってディーゼル発電モデルがポータブルコンプレッサ市場の王座に君臨してきました。しかし、社会の変化と技術の進歩により、その優位性が揺らぎ始めています。

アトラスコプコ、ポータブルエア部門、持続可能性・デジタル化担当プロダクトマーケティングマネジャー、マールテン・フェルメイレン

世界初のバッテリ駆動ポータブルスクリュコンプレッサB-Air 185-12の発売は、低炭素指向の市場改革における決定的な瞬間です

Maarten Vermeiren, Product Marketing Manager Sustainability and Digitalization at Atlas Copco, Portable Air Division
2023年5月アントワープにて、アトラスコプコが初のバッテリ駆動のポータブルスクリュコンプレッサを発表

2023年5月アントワープにて、アトラスコプコが初のバッテリ駆動のポータブルスクリュコンプレッサを発表

アトラスコプコのバッテリ駆動ポータブルコンプレッサB-Air 185-12が道路工事用の空圧ツールに動力を供給

アトラスコプコのバッテリ駆動ポータブルコンプレッサB-Air 185-12が道路工事用の空圧ツールに動力を供給

B-Air 185-12ポータブルエアコンプレッサ、アトラスコプコが現場に設置

B-Air 185-12ポータブルエアコンプレッサ、アトラスコプコが現場に設置

 

 

アトラスコプコにとって「初の試み」は手慣れたものです

アトラスコプコの才能あふれるエンジニアは、150年もの間、変化する社会のニーズに合わせて製品開発を行い、新しい技術とイノベーションを切り拓いてきました。また、気候緊急事態やエネルギー危機に直面している現在の社会が必要としているのは脱炭素化であり、それも素早く実施しなければなりません。

 

低炭素社会への移行を実現

低炭素の未来への迅速な移行を図るため、アトラスコプコは、科学に基づく広範囲の目標に取り組んでいます。これには、使用中のアトラスコプコ製品の炭素への影響を、排出量で2030年までに対2019年比で28%削減するといったバリューチェーン排出量の目標が含まれます。内燃機関の効率をさらに高め、水素化処理植物油(HVO)などのバイオディーゼル油を採用することにより、過去10年間で排出量を大幅に削減してきましたが、我々全員が求める変革を達成するための鍵は、ディーゼル発電を長期的かつ完全な代替です。この課題の解決策は、言うまでもなく再生可能エネルギーによる電力供給への切り替えです。

始まりはプラグイン電動ポータブルエアコンプレッサでした

アトラスコプコは、2018年にプラグイン電動ポータブルエアコンプレッサE-Air VSDシリーズを発表しました。このシリーズは、その後非常に人気を博しました。しかし、その成功には、外部電力の定常的な供給の必要性という大きな制約も伴っていました。すなわち、自給自足バッテリ電力で駆動されるB-Airは、このジャンルにおいて必然的な進化だったのです。

バッテリ駆動ポータブルスクリュコンプレッサのご紹介

バッテリによるエネルギー貯蔵は、エネルギー効率と自律性を両立する理想的なソリューションを具現化したものです。B-Airは、容量57kWhの内蔵バッテリにより電力を供給されるので、燃料も、外部からの定常的な電力供給も不要です。また、使用時にケーブルが不要なコンパクトな設計により、電力へのアクセスが限定的な現場での作業に必要な可搬性と生産性が得られます。これは、建設業界にとって意義深い変化です。史上初めて、道路建設、光ファイバーケーブルの吹き込み設置、ガードレール作業などの用途における実用的な代替動力としてバッテリを使用する一方で、ディーゼルコンプレッサと利用できたのと同じ機能を提供しているのです。

バッテリ技術の可能性

バッテリ技術は、近年変革を遂げており、非内燃機関製品に新しい機会をもたらし、各種産業において持続可能な作業方法を実現しています。特にリチウムイオンバッテリは、無数のポータブルデバイスや自動車に加えて、アトラスコプコのポータブルスクリュコンプレッサにとっても心臓部になっています。 

 

有害排出物と騒音汚染の削減

有害な排出物と騒音汚染を主な例として、このイノベーションにより、持続可能な未来への移行を加速させることができます。ガソリンや軽油を使用するコンプレッサは、最も先進的なものであっても有害ガスを排出し、大気汚染や気候変動の原因になっています。一方、バッテリ駆動のコンプレッサは、動作音が静粛で、それ自体は有害ガスを排出しないため、屋内のロケーション、環境面でデリケートな地域、都市部の作業現場に最適です。しかも、性能面での妥協は一切ありません。それどころか、排気のために、ディーゼルでは代替できない屋内用途などの新しい可能性を提供するのです。

 

エネルギーを最大限利用する設計

バッテリ技術は、外部電源駆動の電動ユニットも使用できるポータブルコンプレッサ業界に、エネルギー効率というもう1つの大きな利点をもたらします。バッテリ駆動コンプレッサには、エネルギー効率を最大化する設計が施されており、運用コストと二酸化炭素排出量をともに削減します。また、高効率のエネルギー管理システムにより、電力を節約しつつ高出力を発揮し、事業と環境の双方で長期的な節約を保証します。

 

低炭素の未来に向けた大きな転換

ディーゼルへの依存という業界全体に深く浸透したやりかたから離れて、低炭素の未来へと向かう変化は日々進んでいます。外部電源式電動E-Airが人気を博したため、モバイルコンプレッサは、このエネルギー変換において初期のサクセスストーリーとなっています。アトラスコプコは、最終的に全ユーザーと全用途にディーゼルを代替する製品を提供することを目指しており、バッテリ駆動のB-Airは、その目標に向けた重要な一歩です。

 

この変換を主導するのはアトラスコプコの責任です

アトラスコプコは、ポータブル圧縮空気ソリューションのマーケットリーダーとして業界の脱炭素化を支える主導的な役割を果たす責任を理解しています。気候変動の趨勢を変えることに貢献するには、業界全体でディーゼルから再生可能代替エネルギーに移行する努力が必要です。また、新しい働き方の受容、新しい技術に対してオープンであること、他者に道を示すリーダーシップも必要です。リシェル・E・グッドリッチの言葉を借りれば、「道の終点に立っているのか、道の出発点に立っているのかは、自分の向いている方向で決まる」のです。