2019年中、アトラスコプコはE-Airシリーズに複数のインバータ駆動(VSD)電動ポータブルエアコンプレッサ(250~1100 cfm)を順次発売予定です。このプラグアンドプレイ式の電動コンプレッサは、排出ガス規制が厳しい地域での作業に最適のソリューションです。
効率の向上、騒音レベルの低減、ディーゼルエンジンの排気ゼロなど、特定の用途では電動のメリットは、決して誇張ではありません。新しいインバータ駆動電動コンプレッサシリーズは、坑内採鉱やトンネル掘削などの過酷で埃の多い環境に対応する、革新的なクリーンな駆動技術です。アトラスコプコは、このような環境でお客様の設備を保護する経験を豊富に蓄積しています。
汎用性の高い電動インバータ駆動技術
ディーゼルなしでも出力増
ディーゼル排気がないため、新しいStage Vディーゼル排気ガス規制の心配はありません。住宅地や地下鉄、トンネル、坑内などの閉鎖空間で作業する場合、E-Airシリーズはディーゼル排気がなく、高い信頼性で圧縮空気を供給します。そのため、坑内用途でも換気は不要で、ディーゼルエアコンプレッサの運転コストに比べて大幅に削減できます。このような環境では、低騒音もメリットの1つです。新しいVSD E-Air H 250は、会話レベルの61 dB(A)で運転できます。VSD E-Airコンプレッサは、同等のディーゼルエアコンプレッサに比べて小型で軽量です。たとえば、E-Air H 250の重量は750 kg未満で、ヨーロッパ域内ではけん引時に特殊運転免許は不要です。電動ポータブルエアコンプレッサを利用するメリットは明らかです。燃料補給は不要で、自律性が高まり、プラグアンドプレイ式です。電動モータには整備は不要で、コンプレッサのサービス間隔は2年または2000時間ごとで済みます。新しいVSD E-Airシリーズには、アトラスコプコのPACE(Pressure Adjusted through Cognitive Electronics)システムが採用されています。圧力5~12 barの範囲で0.1 bar刻みで調整して、用途に最適なレベルに流量を調整できます。そのため、これまで複数のコンプレッサが必要であった作業にも1台のコンプレッサで対応できます。
過酷な作業環境でも高い信頼性を発揮
従来の産業用コンプレッサに比べると、VSD E-Airシリーズは過酷な作業環境に対応するよう設計されています。各コンプレッサでは、モータ巻線が容器内に密閉されており、埃や水の侵入を防ぎます。また、定評あるHardHatキャノピ(VSD E-Air H 250および450)、IP65等級適合のコントローラ、水冷式駆動(IP67等級適合)、鋼製の一枚板、溶接なしの車台、3層の腐食保護塗装システムも採用されています。また、標準装備の漏れのないフレームは液体を110%保持し、現場での漏れを確実に抑えるため安心です。VSD E-Airシリーズには、アフタクーラも標準で装備されており、サンドブラストなどの用途に高品質のエアを供給します。以上の機能により、エンドユーザーの設備を保護するだけではなく、各用途に確実に圧縮空気を供給できます。VSD E-Airシリーズは、バックアップ用、一時的な圧縮空気システムの拡張に最適です。また、定置式コンプレッサのメンテナンス時に、確実に圧縮空気を供給できます。
ディーゼル排気ガス規制に準拠
146年にわたり、アトラスコプコはお客様を念頭に革新に取り組んできたと同時に、サステイナブルなソリューションを重視してきました。VSD電動ポータブルコンプレッサシリーズの発売により、Stage Vディーゼル排気ガス規制順守の導入と、既存のディーゼルエアコンプレッサの更新にとどまらない革新を実現しました。アトラスコプコは2016年に初のポータブル電動エアコンプレッサである、定速のE-Air T900を発売しました。2019年、弊社は定速の電動コンプレッサ2モデル(E-Air T400とE-Air T500)のほか、VSD電動コンプレッサ3モデル(VSD E-Air H 250、VSD E-Air H 450、VSD E-Air V 1100)を発売しました。以上のモデルを揃えたシリーズは、250~1100 cfmの空気需要に対応します。