高流量の窒素をメキシコ北部の人里離れた鉱区でつくり出す
2019/12/17
地球上のほとんどの場所では、酸素が豊富にあることは良いことです。しかし、メキシコ北部の人里離れたミモザ炭坑の奥深くでは、炭坑内の最大限の安全を確保するために酸素の濃度を下げることが不可欠でした。優れたチームワーク、多領域の専門知識、最先端テクノロジーのおかげで、アトラスコプコレンタルはコスト効率に優れたソリューションを短期間で構築できました。
困難な地形
Minera del Norte社がアトラスコプコレンタルに最初にアプローチしたのは、2019年3月初旬でした。同社のリクエストは、ミモザ炭鉱内の高酸素濃度の空気を不活性にするソリューションを探し出すことでした。大量の窒素を採鉱場に注入して過剰の酸素を追い出すことが最良の解決法であろうということがすぐに明らかになりました。しかし、特に以下のようなプロジェクト特有の制約がある場合、「言うは易く行うは難し」です。
- 人里離れた場所:メキシコ北部のモンテレーから車でおよそ5時間かかるため、液体窒素を使える可能性は否定されました。しかも、自家発電設備の能力も限られてしまいます。
- 流量が非常に大きいこと:採鉱場内の安全な状態を維持するためには、2,000 cfmの窒素を流入する必要がありました。これは、オリンピックのプールに毎日24時間入れたとして、数ヵ月分の量に相当します。
- 厳しいスケジュール:すべてが7日以内に稼働しなければなりませんでした。
そこで、これらの制約に対し、運用部門のバイスプレジデントであるGuillermo Garzaと、メキシコ北部エリアセールスマネジャーのAngel Ramos、そしてそのチームが現場で窒素をつくり出すための信頼性とコスト効率に優れたソリューションの考案に着手しました。
最新鋭のソリューション
ミモザ炭鉱内の過剰酸素を追い出すために、十分な量の窒素を十分な純度でつくり出す必要がありました。わたしたちは、2台のNGM1100膜分離式窒素生成機それぞれに3台のPNS高圧ディーゼル駆動型エアコンプレッサを組み合わせて設置することを提案しました。2セット使うことで、流量が高くなるだけでなく、どちらかのユニットが使えなくなった時の冗長性も加わります。
明確な投資回収率
プロジェクトの規模が大きかったため、規模の経済性を大幅に高めることができました。特に、液体窒素をトラック輸送するコストを日ベースで比較すると、当社のソリューションはシンプルで信頼性が高いだけでなく、コスト効率も大幅に向上しました。
当社の膜分離式窒素生成機のもう一つの優れた点は、ちょうど通常の鉄道模型のように、わずか24Vの交流電流で動作することです。このため、重くてかさばる変圧器が不要になりました。実際、発電機は遠く離れた鉱山のもう一つの希少なリソースですが、その容量に対する需要はまったく最小限に抑えられました。
大規模なチームワーク
2台のユニットを非常に厳しい期限内に設置するには、オペレーション部門、技術者、および販売を含む複数の部門間を調整することが必要でした。当時、メキシコ国内には窒素の分離膜が1枚しかなかったため、国境を越えて米テキサス州ヒューストンから別の膜を輸入する必要がありました。時間と複雑な税関手続きを考慮すると、これがチームの行く手を阻む最大の障害だったのかもしれません。 「チームの柔軟性と献身にたくさんの創造的問題解決が加えられたことで、システム全体を7日以内に立ち上げることができました。」とGuillermo Garzaは締めくくります。 言うまでもありませんが、仕事はすべてうまくいきました。
詳細については、以下の担当者にお問い合わせください。
- アトラスコプコスペシャルティレンタル部門、コミュニケーションマネジャー、Olivia Gambin
1873年以来、アトラスコプコでは産業分野のアイデアを活かして、ビジネスクリティカルなメリットを生み出してきました。お客様の声に耳を傾け、ニーズを的確に把握することにより、価値を提供し、将来を見据えた革新を実現します。すばらしいアイデアが持続可能な発展を推進します。アトラスコプコスペシャリティレンタルはお客様と協力して、最先端のエア、フロー、蒸気、窒素のレンタルソリューションを提供しています。当社の熟練した担当者たちは、用途や機器に関する豊富な知識を持ち、お客様のニーズを把握し、緊急停止時にも計画停止時にも、幅広い業界においてトータルソリューションを提供いたします。スペシャリティレンタルはパワーテクニーク事業エリアの1部門で、本社はベルギーのブームにあります。我々は世界各地で複数のブランドを有し、スペシャルなレンタルソリューションを提供しています。