100%オイルフリーのPTS 1600エアコンプレッサで500℃のスチームタービンをすばやく安全に冷却
約6か月前、全面的オーバーホールの時期を迎えていた香港最大規模のある発電所は、メンテナンスを実施するために発電設備のスチームタービンを停止する必要に迫られていました。タービンの温度が自然に下がるのを待つとすれば、非常に時間のかかるプロセスになります。
スチームタービンの冷却は危険で時間のかかる大仕事
スチームタービン停止直後のインペラの温度は500℃近くに達します。初期温度がこれほど高いと、スチームタービンを空気で冷却する作業には重大な危険が伴います。大量のエアによってインペラが変形する恐れがあるため、空気量をきわめて慎重に調整することがこのプロセスの絶対条件となります。そのため、このお客様にとって理想的なソリューションを提供するには、オイルフリーで低圧のエアを高流量で供給できるコンプレッサが不可欠でした。
冷却プロセスをわずか3日で終えられた理由
お客様のご要望にお応えするため、2台の100%オイルフリーPTS 1600ポータブルエアコンプレッサを使用することに決めました。ただし、1台あたり圧力1.1バール、流量30 m3/分でエアを供給するコンプレッサを冷却プロセスの初期段階で2台同時に使用すると、空圧や空量が過剰となる危険性がありました。タービンの損傷を避けるため、まずはPTS 1600コンプレッサを1台だけ使用して温度を30℃下げるところから冷却プロセスを開始しました。2日後、インペラの温度が150℃まで下がり、変形のリスクが大幅に減少したことを確認してから、2台目のコンプレッサを動かし始めました。こうして低圧かつ高流量の圧縮エアを供給することに成功し、当初10日間もの所要期間が見込まれていた冷却プロセスをわずか3日に短縮することができたのです。
騒音にも徹底して配慮
もうひとつ取り組まなければならなかったのは、大規模な輸入工業機械に適用される香港の騒音規制を守るという課題です。香港の騒音規制は、世界でもトップクラスに入る厳しさで知られています。行政とのやり取りによる不要な遅れを避けるため、機器輸入の通関手続きを開始する前に、コンプレッサのノイズレベルテストを実施しました。その結果、アトラスコプコの機器のノイズレベルは79dBであり、香港環境保護署が定めるノイズレベルの上限、90dBを大幅に下回っていることがわかりました。こうして、冷却プロセスを開始する上での障害はすべて解消されたのです。
スムーズな社内連携
プロジェクト始動直後から重視していたのは、時間を可能な限り節約するために、効率的に無駄なく作業を進めることでした。
機器の搬送、通関手続き、設置作業などの社内連携がスムーズに進んだおかけで、このスチームタービンの冷却プロセスはわずか数日間で完了しました。お客様も弊社の仕事ぶりにいたく感心され、今回の結果に大変満足しているので今後のメンテナンスプロジェクトでもまたアトラスコプコの機器をレンタルしたいとも仰っていただきました。
詳細については、以下の担当者にお問い合わせください。
- アトラスコプコスペシャリティレンタル、部門コミュニケーションマネジャー、オリビア・ギャンビン olivia.gambin@atlascopco.com
すばらしいアイデアが革新を加速します。1873年以来、アトラスコプコでは産業分野のアイデアを活かして、ビジネスクリティカルなメリットを生み出してきました。お客様の声に耳を傾け、ニーズを的確に把握することにより、価値を提供し、将来を見据えた革新を実現します。アトラスコプコの本拠地はスウェーデンのストックホルムにあり、世界180か国以上に展開しています。従業員数は約37,000名です。2018年の収益は950億スウェーデンクローネ(90億ユーロ)です。詳細については、www.atlascopcogroup.comをご覧ください。 すばらしいアイデアが持続可能な発展を推進します。アトラスコプコスペシャリティレンタルはお客様と協力して、最先端のエア、電力、フロー、蒸気、窒素のレンタルソリューションを提供しています。当社の熟練した担当者たちは、用途や機器に関する豊富な知識を持ち、お客様のニーズを把握し、緊急停止時にも計画停止時にも、幅広い業界においてトータルソリューションを提供いたします。スペシャリティレンタルはパワーテクニーク事業エリアの1部門で、本社はベルギーのブームにあります。我々は世界各地で複数のブランドを有し、スペシャルなレンタルソリューションを提供しています。